2007年8月12日日曜日

何故、今、朝青龍に対して記者会見をさせようとするのか?

 朝青龍の一連の騒動について、ここ数日の日本相撲協会(親方含む)の対応が、あまりに杜撰であり、人間の尊厳を無視する行為だと、私は思う。

 確かに、朝青龍が、怪我で巡業を休んだのにもかかわらずサッカーをプレーしたことや、過去に土俵上や土俵以外でも度々問題を起こしてきたという経緯があるから、「現在の朝青龍は本当に病気なのか?」と疑う人がいても不思議ではない。

 しかし、医者2人の見解は若干異なるものの、正式な病名を公表している。しかも、医者のうち1人は、協会の要請で診察している。つまり、協会は「朝青龍は病気だ」とはっきり認識しているのだ。

 それなのに、未だに親方や日本相撲協会は、記者会見を無理矢理開こうとしている。患者に対する対応とはとても思えない。さらに、病名を軽々しく公表することの是非もある。私は絶対反対である。いくら横綱といっても、尊厳を蔑ろにしているからだ。病名の公表により、結果として、朝青龍に余計なプレッシャーをかけてしまっている。協会は、記者会見しづらい状況を、みずから作り出してしているのだ。協会は、最悪の選択肢を選んでしまった。

 相撲界には、恐らく精神論中心の古い考えがはびこっているのだろう。だから「汗をかけば治る」とかいう、全く不適当かつ無責任な発言が出てくるのだ。今、朝青龍に必要なのは時間だ。病気なのだから、時間をかけて治療に専念させるべきだ。何故、朝青龍をしばらくそっとしておいてやることができないのか? そっとしておくことが、もっとも効果的ではないか。時間が経てば、そのうち、協会内の意見は集約され、報道は落ち着き、病気は治る。そういう順序をたどって、はじめて朝青龍と親方、協会のコミュニケーションが図れ、そして記者会見が出来るようになるのだから。

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