2008年1月6日日曜日

「1000年女王(劇場版)」を観ました

昨年から継続してきた、松本零士シリーズもののDVD鑑賞。遂に、「1000年女王」に行き着きました。
 予備知識としては、「1000年女王」は「銀河鉄道999」よりも「メーテルレジェンド」よりも更に前の物語であり、プロメシュームが登場する、ということのみで、鑑賞いたしました。

 一言で言えば、かなり良かったです。私は、マイナーな松本作品とはいえ、一見の価値があると断言できます。
 何が良いと思ったのか、3点挙げます。

 1.一番のお気に入りは音楽
 何と、作曲は、あの喜多郎。NHK「(昔の)シルクロード」シリーズの作曲で知られる、シンセサイザ奏者です。この曲が極めて素晴らしい。雰囲気にあまりにもマッチしている。銀河鉄道999とは全然テイストが違う。とにかく幻想的、神秘的であり、星空にあまりにもぴったり。特に、エンディングテーマはあまりにも切なく、喜多郎のシンセサイザの音色は、あの人の棺桶と共に惑星ラーメタルに向けて届くのだ。

 2.1000年女王が(やっぱり)メーテルっぽい。
 やはり、松本さんの描く美しい女性は、みんなメーテルっぽくなるのでしょうか? しかも、妹もエメラルダスっぽくて、銀河鉄道999ファンとしては、ついつい感情移入してしまう。姉妹の性格も銀河鉄道999と同様だ。なお、1000年女王がメーテルとどういう関係なのか、本作では明らかにされません。そもそも、1000年女王が子供を生んでいたのか、実は1000年女王は世襲ではないのではないかと、色々考えてしまい、謎が更に深まります。宇宙交響詩メーテルのシリーズで明らかになるのかもしれませんが。

 3.シナリオは独創的
 ラーメタル人が1000年に一度地球に舞い降り、地球人を支配していたという設定は、かなり衝撃的でした。竹取物語やクレオパトラ、卑弥呼との関連も面白い。こういう歴史に実在した人をうまくシナリオにはめ込んでいるところが上手い。ラーメタル人を見ると、モノリスを構築した宇宙人のような存在(=2001年宇宙の旅に登場する黒い板)を思い出してしまう。ラーメタル人にとって、地球は箱庭のようなものだったからだ。
 映画版では、原作の話題が消化し切れていないらしく、また、明らかに無理な展開もある(特に、妹の姉殺し未遂は意味不明だった)。しかし、単品の映画として、十分理解できる範囲です。銀河鉄道999を最後まで観た人であれば、必ず原作が読みたくなります! 私は、もう原作を注文してしまいました。マイナーな作品だけに、なかなか新品は見つからないです。

 マイナーな作品ですが一見の価値はあります。おすすめです。PS3で観れば、画像の粗さも気にならないでしょう。音はモノラルでした。

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